What's New 新着情報

ー医療費の負担は、どう変わっている? ー

こんにちは、ジェイアイシー九州です。

定期的に障がいのある方々のご家族や福祉に携わる皆さまにお役立ていただける内容をテーマに情報をお伝えしております。

前回のコラムでは「直近の知的障がい者の傷害事故・賠償事故の傾向」をテーマにご案内しましたが、

今回は「直近の医療事情(2026.8月時点)」について制度改定を踏まえた上でご紹介していきたいと思います。


はじめに

医療を取り巻く環境は、少しずつ、しかし確実に変化しています。高齢化や医療技術の進歩に加え、医療を支える人材不足などを背景に、医療制度の見直しが続いています。

一方、病気やケガをしたときに負担する「医療費」も変化しています。高額療養費制度、入院時の食事代、先発医薬品を選んだ場合の追加負担など、以前とは違った負担が生じる場面もあります。

今回は2026年の制度変更を中心に「医療費はどう変わったのか」「医療はこれからどう変わるのか」を整理していきたいと思います。


1.「医療費」と「自己負担」は違う

病院で診察・検査・手術などを受けた場合、医療費の全額を患者が負担するわけではありません。公的医療保険によって、年齢や所得に応じた自己負担割合が決められています。70歳未満の一般的な現役世代では、原則3割負担です。

また、高額な医療費には「高額療養費制度」があります。1か月の自己負担額が一定の上限を超えた場合、その超えた部分が支給される仕組みです。

ただし「高額療養費制度がある=医療に関する支出がすべて一定額で済む」ということではありません。


2.2026年8月から高額療養費制度が見直し

2026年8月から、月ごとの自己負担上限が見直されるとともに、新たに「年間上限」が設けられました。年間とは8月から翌年7月までを指します。

また、長期療養者には「多数回該当」という仕組みがあります。直近12か月の間に高額療養費に該当した月が3か月以上ある場合、4か月目以降は自己負担限度額がさらに軽減されるというものです。

今回の見直しでは、長期療養者への配慮として多数回該当の金額を基本的に維持しながら、年間上限を設けることで、長期的な医療費負担を見通しやすくする仕組みが強化されています。

参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省

 参照:厚生労働省. “高額療養費制度の見直しについて”. 2025-12-15


3.高額療養費の対象外となる費用にも注意

高額療養費の対象となるのは、基本的に公的医療保険が適用される医療費です。一方、次のような費用は原則として対象外です。

  • 入院時の食事代
  • 差額ベッド代
  • 先進医療の技術料
  • 自由診療
  • 先発医薬品を希望した場合の「特別の料金」
  • その他の保険外費用

そのため、医療費100万円の治療を受けたとしても、実際の負担が高額療養費の自己負担限度額だけで済むとは限りません。入院期間や病室、食事、交通費、日用品などによっても負担は変わってきます。


4.入院時の食事代も変化

入院中の食事には「食事療養標準負担額」という自己負担があり、近年、段階的に見直されています。

  • 2024年6月:460円 → 490円
  • 2025年4月:490円 → 510円
  • 2026年6月:510円 → 550円

一般的な所得区分では、2026年6月から1食あたり550円が基本です。例えば10日間の入院で1日3食なら16,500円となり、医療費とは別の負担になります。

※所得区分などによって負担額は異なります


5.薬にも「追加負担」がある

2024年10月から、後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある先発医薬品を患者が希望して使用する場合、「特別の料金」が発生する仕組みが始まりました。2026年6月からは、先発医薬品と後発医薬品の価格差の2分の1相当が「特別の料金」となっています。

例えば、先発医薬品100円、後発医薬品60円なら、価格差40円の2分の1である20円が、通常の患者負担とは別に発生します。

※実際には消費税や端数処理などにより異なる場合があります

参考: 後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について|厚生労働省


6.今後注目したい「OTC類似薬」

OTC医薬品とは、医師の処方箋がなくても薬局やドラッグストアなどで購入できる医薬品です。OTC類似薬は、OTC医薬品と成分や投与経路などが類似する医療用医薬品を指します。

2026年度の医療保険制度改革では、一定のOTC類似薬について、保険給付とは別に「特別の料金」を求める新たな仕組みを2026年度中に実施する方向が示されています。


7.病気になったとき、「医療費」だけを考えればいいのか?

病気になったときに考えるべき経済的な負担は、「お金が出ていくこと」だけではありません。

  • 仕事を休む
  • 勤務時間を短縮する
  • 休職する
  • 退職する

治療が長期化すると、医療費の増加だけでなく、収入が減少する可能性があります。つまり、病気による経済的リスクには「支出が増えるリスク」と「収入が減るリスク」の両方があります。

以前は「病気になる→入院する→入院費がかかる→医療保険で備える」というイメージが強かったかもしれません。しかし現在は、通院しながら治療を続けたり、治療が長期化したり、仕事や収入に影響したりするケースも考える必要があります。

だからこそ、「入院したらいくら必要か」だけではなく、「病気になった後の生活をどう維持するか」という視点が重要になってきます。


おわりに

今回の医療制度の変化は、単純に「医療費が高くなった」「制度が厳しくなった」という話だけではありません。高額療養費制度では月単位に加えて年間という視点が加わり、長期療養者への配慮もされています。

一方で、入院時の食事代や薬の追加負担など、公的医療保険の対象外となる費用にも目を向ける必要があります。

これからの医療保障を考えるときには「入院したらいくら必要か」だけではなく、「治療を続けながら、生活や仕事をどう維持するのか」という視点がこれまで以上に重要になるのではないでしょうか。

※2026年8月時点の公表情報をもとに作成しています。制度・金額・運用等は今後変更される場合があります。

個別のケースについては、加入している公的医療保険や医療機関等へご確認ください。


私たちジェイアイシー九州では、様々な事故やリスクに備えるための保険について、皆様の状況に合わせたご提案をしております。今後も、皆様が安全・安心な生活を送れるよう、最新の情報を常に把握し、より質の高いサービス提供に努めてまいります。

補償内容やご契約に関しまして、ご相談がございましたら、どうぞお気軽にジェイアイシー九州へお問い合わせください。

 

CONTACT
お問い合わせ

友だち追加

当社についてのご意見やご要望などは
お気軽に以下のフォームから
お問い合わせくださいませ。