こんにちは。
ジェイアイシー九州の竹内・木内です。
先月より、障がいのある方々のご家族や福祉に携わる皆さまにお役立ていただける内容をテーマに、情報をお伝えしております。
前回は「障害年金」をテーマにご案内させていただきました。
今回のテーマは「成年後見制度」です。
◇成年後見制度とは?
成年後見制度とは
認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力の不十分な方々の不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りの世話のために介護などの福祉サービスに関する契約を結んだり、遺産分割の協議をする場合に不利益を被らないために保護し支援する制度
■現在の成年後見制度の種類は2種類ございます
①「任意後見制度」・・・本人が十分な判断能力を有する時にあらかじめ任意後見人となる方や将来その方に委任する内容を定めておく制度
②「法定後見制度」・・・本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所によって選任された後見人等が本人を法律的に支援する制度
今回は②「法定後見制度」について調べていきます
◇法定後見制度の種類とは?
法定後見制度においては、家庭裁判所によって、援助者として成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が選ばれます。本人の判断能力に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3つの制度があります。
■法定後見制度の種類
①対象となる方
後見 | 判断能力が欠けているのが通常の方 |
補佐 | 判断能力が著しく不十分の方 |
補助 | 判断能力が不十分な方 |
②成年後見人ができること
後見 | ・財産に関するすべての法律行為の代理権 ・本人がした日常生活に関する行為以外での不利益な法律行為の 取消判断能力が欠けているのが通常の方 |
補佐 | ・申立の範囲内で家庭裁判所が定める特定の行為についての同意権 ・また同意なしでの被後見人が行った法律行為の取消権 |
補助 | ・申立の範囲内で家庭裁判所が定める判断能力が不十分な方 |
◇法定後見人になる人は?
では、法定後見人にはどのような人がなるのでしょうか。
法定後見制度においては、家庭裁判所が法定後見人を選任します。
法定後見人になるために特別な資格は不要です。
家族が成年後見人になることを希望することはできますが、必ずしも家族が選任されるわけではありません。
また、法定後見制度は判断能力が不十分な本人の権利を保護するための制度ですので、本人の判断能力が回復したと認められる場合でない限り、制度の利用を途中でやめることはできません。
法定後見人に選任されるのは下記の人たちです。
親族後見人 | 親族による後見人 |
市民後見人 | 弁護士や司法書士・社会福祉士などの資格をもたない、 親族以外の市民による後見人。 市町村等の研修を修了し、必要な知識・技術、社会規範、 倫理性を身につけ、登録後、家庭裁判所からの選任を受けてから、 成年後見人等として活動します。 |
専門職後見人 | 弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門家 |
法人後見 | 法人による後見 また、場合によっては「後見監督人」が選任される場合があります。 |
後見監督人 | 主に親族が後見人に就任した場合、弁護士・司法書士等の第三者が、 後見人を監督する立場として後見監督人が選任されることがあります。 |
◇法定後見制度~申し立てから後見の開始まで~
法定後見制度を利用する際の法定後見の開始までの手続きの流れを確認しましょう。
①申立て | 申立てに必要な資料・書類を準備し、本人の住所地の 家庭裁判所に後見開始の審判等を申し立てます。 |
②審理 | 家庭裁判所により、申立人及び成年後見人等候補者から 事情を伺うため面接等を行います。 |
③法定後見の開始の審判・ 成年後見人等の選任 |
家庭裁判所による調査・審理を経て、後見制度の利用が 相当であると判断されれば、後見等開始の審判がなされ、 成年後見人等を選任する審判がなされます。 |
④審判の確定 (法定後見の開始) |
審判後、審判書謄本が本人及び申立人並びに後見人等に 郵送されます。 |
◇法定後見人の職務とは?
法定後見人の職務とはどのような内容でしょうか。
法定後見人は、本人(被成年後見人)の生活・療養看護(身上監護)と財産管理が主な職務内容となります。
■身上監護
本人の生活や治療、療養、介護のための法律行為を代理で行うことです。
具体的には、介護の契約や、施設への入退所の手続き、治療や入院の手続き、生活環境の整備などが含まれます。
■財産管理
本人の収入や財産を把握して、適切に維持管理することです。法定後見人は選任後に遅滞なく、本人の財産を調査して「財産目録」を作成しなければなりません。
長期的な療養看護が受けられるように、生活費、医療費、税金など本人の生活のために必要な費用を本人の財産から計画的に支出するため収支予定を組み立てる必要もあります。
◇法定後見制度についてもっと知りましょう
法定後見制度は、知的障がい・精神障がい・認知症などによってひとりで決めることに不安や心配のある人が、いろいろな契約や手続きをする際にお手伝いする制度です。ひとりひとりに合った支援を選択できるよう、様々な制度の中の一つとしてご案内しました。
厚生労働省や法務省のホームページ等にさらに詳しく掲載されております。以下にご紹介しますので、ぜひご確認ください。
【参照】
・厚生労働省 成年後見はやわかり ホームページ 成年後見はやわかり (mhlw.go.jp)
・法務省 成年後見制度・成年後見登記制度 ホームページ 成年後見制度・成年後見登記制度 (moj.go.jp)
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